表皮の奥にある基底細胞(角化細胞の一種)は分裂し、たえず新しい細胞をつくりだしています。
この細胞の遺伝子が紫外線によって傷つき、治らないまま分裂すると、新しい細胞のDNAに異変が起きる確率が高くなります。
正しく元通りに治らなかった場合は遺伝子に突然変異が生じ、皮膚ガン細胞へと近づいてしまいます。
この遺伝子の傷を治すはたらきは白人も日本人も同じです。
メラニンは、太陽光からの刺激に対抗して紫外線を吸収・散乱し、害が表皮角化細胞の核に及ばないよう紫外線からまもってくれるはたらきをします。
白色人種はメラニンが量が少なく黒色人種が多いというように、肌の色はメラニンの量によって決まります。
黄色人種である日本人のメラニンの量は白色人種と黒色人種の中間ぐらいです。
メラニンは紫外線の害から肌を守り、メラニンの多い肌ほど紫外線を止めるので、肌のメラニン量が多い人ほど皮膚ガンになりにくいということになります。
実際に黒色人種の皮膚ガン発生率は白色人種に比べ低いことがわかっています。
では日本人はどうでしょうか?1960年代までは、日本人の肌にはメラニンが多く紫外線を止めてくれるので、皮膚ガンにはならないと信じられていました。
しかし今では、日本人も太陽紫外線で皮膚ガンになることがわかっており、さらに近年では増加する傾向にあります。
日本人の平均寿命が延びたことも皮膚ガンの増加要因のひとつにあります。
長い年月をかけて太陽光にさらされてきた肌には皮膚ガンの素地ができあがっているので、60歳を過ぎると皮膚ガンが出はじめます。
高齢者が増えるとともにガン発生率もあがっているというのが現状です。
また、日焼けは健康によいと信じられ、子供の頃から無防備に太陽紫外線を浴びつづけたことも原因でしょうし、近年進むオゾン層の破壊もみすごすことのできない要因のひとつとなるでしょう。
(参考文献: 紫外線Q&A お日さまと仲良くつき合う方法 )
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